ライブのおはなし
2023年4月8日、しろくま図書委員会の記念すべき第一回ライブ「しろくま図書委員会の春学期」が開催された。このライブは、昭和の中学校を舞台に、本に夢中な「図書委員のあのこ」と、彼女に惹かれる野球少年「みやのけい(ぼく)」の物語を、オリジナル楽曲とトークで綴る物語音楽プロジェクトの幕開けとなった。
ライブは、図書委員のあのこの読書愛を象徴する楽曲「読書日和」で穏やかにスタート。続くMCでは、宮野馨(みやのけい役)と図書委員のあのこ(柏原はねみ)が、それぞれの役柄と物語設定を紹介。観客を懐かしい昭和の中学生の世界へと誘った。
物語は、図書委員のあのこが中学入学前に図書委員になることを熱望する「図書委員になりたい」、そして彼女の圧倒的な本への愛情を歌う「本が好き」へと続く。ここで、記念すべき第一回の「しろくま宣言」が行われ、図書委員が本への愛と活動への決意を表明した。
一方、宮野くんは「本はにがて」。その理由は、家庭環境にあった。読書家の父とそれを快く思わない母との間で、彼は本を避けるようになったのだ。しかし、そんな彼にも気になる存在ができた。「どこにいるのかわからない」彼女の正体を知るため、宮野くんは意を決して、未知の空間である図書室への潜入を試みる。その緊張と期待が「はじめまして」で描かれた。
中盤では、図書委員のあのこが、その独特なキャラクターを存分に発揮。唐突に自身の読書体験(ノームの絵本やサンタクロースへの不信など)を熱く語り、観客を彼女の世界に引き込んだ。そして、彼女が本の世界へ深く没入する様を描いた「あなたに会いに 昼休みの図書室 二年後」が披露される。
さらに、図書委員は「しろくま図書委員会」のネーミングの由来(ホッキョクグマと読書文化の危機への警鐘)や活動趣旨を熱弁。このMC中に「白耳」が登場し、図書委員が実際に装着。観客にも「図書委員が増えてほしい」と呼びかけた。宮野くんが本を借りたいと申し出ると、すかさず彼女は本の扱いについて厳しく指導する「絶対禁止」を歌い上げ、図書委員としての矜持を見せた。
その後、図書室で二人が(まだ本格的ではないものの)すれ違う様子が「すれちがいの図書室」でコミカルに描かれ、彼女の図書委員としての誇りを歌う「私は誰より図書委員」へと繋がる。
終盤のキャラ解放タイムでは、演者としての柏原はねみが自己紹介し、宮野くん(演者:石村吹雪)との軽妙なやり取りやライブハウスの思い出、そして観客へのアンケート(レポート)のお願いがなされた。 物語は、別れの季節を歌った「春の約束」、そして図書委員の日常業務と感謝を込めたエンディング曲「本の住所~NDCコードのうた」で、第一回の幕を閉じた。
このライブは、二人のキャラクターと物語の導入を丁寧に描きつつ、しろくま図書委員会の理念や今後の展開への期待感を抱かせる内容となっていた。