ライブのおはなし
2024年7月20日、赤羽のビストロ「クロミツファクトリー」の開店5周年を祝う特別編として、しろくま図書委員会のライブが開催された。この日は物語の進行を一旦休み、初めて観る人にも世界観が伝わるような、ダイジェスト的な構成となった。
ライブは、夏にふさわしい「しろくまサマー♪」で景気良くスタート。宮野くんが、このライブでは自身の役名が「宮野馨」であることを改めて説明し、観客を物語の世界へ誘った。続く「それだけなのに」「踊り場でシャドウ」で、物語の原点である、野球少年・宮野くんが図書室の窓越しに「図書委員のあのこ」を見つけ、気になり始める様子が描かれた。
MCでは、図書委員が自身の役柄と、しろくま図書委員会が持つ読書推進への熱い想いを語り、早々にトレードマークの「しろいみみ」を装着。「あなたに会いに」で、本の世界へ深く没入する自身の聖域(昼休みの図書室)を歌い上げた。その後は、二人のキャラクターを紹介する楽曲へ。図書委員は「本が好き」でその圧倒的な読書愛を示し、対する宮野くんは「本はにがて」で、読書家の父とそれを嫌う母との間で本に複雑な感情を抱くようになった家庭環境を明かした。
中盤では、宮野くんが彼女に近づくための不器用な作戦の数々が紹介される。「ころがる消しゴムのように」では、教室で消しゴムを転がして話すきっかけを作ろうとする彼の健気な試みが描かれた。しかし、そうこうするうちに夏休みが近づいてきてしまう。その焦りと、彼女への尽きない興味が「きみも夏になる」で歌われた。
ライブ後半は、観客との一体感を重視した「合唱タイム」へ。図書委員は「月曜日はつまらない」で、図書館が休館日の本好きのやるせなさを歌い、観客の共感を誘った。続く「読書日和」では、観客と共に読書の素晴らしさを歌い上げた。また、MCでは昭和のデュエットソングの話題で盛り上がり、その流れで二人のすれ違いを描くデュエット曲「すれちがいの図書室」「たかが本されど本」を観客のコーラスと共に披露。会場は和やかな雰囲気に包まれた。
終盤は、図書委員会の代表曲ともいえる「私は誰より図書委員」で、図書委員としての誇りと情熱を力強く歌い上げた。最後のMCでは、今後のライブ予定やYouTubeチャンネル登録の協力をお願いしつつ、この日限定のレア曲として、本を通じて見えない誰かと心が繋がる可能性を示唆する「あの本棚で会いましょう」を披露。クロミツファクトリーへの感謝と祝福の言葉と共に、特別編ライブは温かい拍手の中で幕を閉じた。
物語の主要なエピソードと楽曲を凝縮し、観客参加型のコーナーを多く取り入れることで、しろくま図書委員会の魅力を初めての人にも分かりやすく伝えた、祝祭感あふれる一夜だった。