ライブのおはなし

「みみフェス2026」

2026年8月2日、神楽坂マッシュレコードにて、第18回しろくま図書委員会ライブ「みみフェス」が開催されました。高崎亮、Yumiko、弱つよむを迎えた夏の一日。しろくま図書委員会のステージは、「私は誰より図書委員」で元気よく幕を開け、「みみふりロケンロール」「しろくま宣言」「しろくまサマー」と、耳をつけて楽しむお祭りらしい歌が続きます。
けれども今回も、その明るさの奥では、宮野くんと図書委員のあのこの、なかなか交わらない物語が進んでいました。夏休みに入り、学校も図書室も休み。図書委員のあのこは本を読み尽くして退屈し、宮野くんは、春のクラス替えであのこと同じクラスになれたことを「確率」で考え始めます。学年八クラスのなかで同じ組になれたのは、偶然なのか、それとも運命なのか。「ぼくの宿題」「組あわせ」では、数字に置き換えようとしても解けない気持ちと、休みのあいだに彼女と出会える可能性を探す、宮野くんらしい不器用な夏が歌われました。
一方、あのこが夏休みの宿題に選んだのは、若葉第一中学校図書委員会に代々残る活動記録ノートの読破でした。現在の一冊には「50」という通し番号があり、その前には四十九冊もの時間が眠っています。新着図書の受け入れ、本棚の掃除、雨の日の利用者数。いつの時代も変わらない地味な記録をたどるうち、あのこは白い耳の着用規則が年代ごとに変化してきたことに気づきます。「タイムトラベルノート」を軸に、「あのこの秘密」「図書室の待ち人」などを交えながら、図書委員たちが耳を受け継いできた歴史が少しずつ浮かび上がりました。
そして、すすけた最古の記録に残されていたのは、「あのこがまた、みんなのためにみみを作ってきてくれました。ありがとう」という一文。その前のノートは欠番で、“あのこ”が誰なのかは分からないままです。謎を未来へ残して本編は「図書室ではお静かに」で締めくくられ、最後は「すれちがいの図書室」へ。未来に生まれる物語の確率を考える宮野くんと、名も残らない過去の誰かを探すあのこ。北極のしろくまと南極のペンギンのように、今年の夏も二人は逆方向へ歩きながら、不思議と同じ場所へ近づいているようでした。

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