しろくま図書委員会

謝辞

2024年11月3日日曜日  アルバム発売ライブ「Bar愛読書綺譚」満席御礼申し上げます

アルバム「図書委員とぼく I どうしたらきみと話せたんだろう」の通信販売はこちらより始まりました。

活字好きなあなたのための、しろくま図書委員会のこれまでのお話

※次のライブのために、読んでおきましょう。まだ、間に合います。

しろくまアワー♪をはじめましょ(2024年8月10日)

春から数えて四ヶ月。しろくま図書委員会も、ライブハウスコタンで回数を重ね、その場所なりのやり方を確立し始めたと言えるかもしれません。まずは一曲、本編とは関係なく昭和の匂う、夏らしい歌を聴いてもらいます。

僕らの磁力

僕たちが揃うともしかして
時計が壊れるみたい

その高さこの高さ見慣れて来たら
ひかるあせも眩しく見える

あー。ねー。
これからどんな夏をはじめようか

残された時間を数えると
時計が壊れるみたい

その声もあの声も僕らのものに
たれるあせも許していこう

あー。ねー。
これからどんなふたりはじめようか

僕らの磁力は無謀にも
地球の磁力に抗って
どこまでも高くとべる
まるで翼を得たように

あー。ねー。
これからどんな夏をはじめようか

あー。ねー。
これからどんなふたりはじめようか

いつものお話のなかの宮野くんがまったく出てこない、ある意味安心の一曲で場をあたためます。

そして、いつもの自己紹介よりスタートです。「あらためましてこんばんは。しろくま図書委員会、宮野馨です。こちら、図書委員のあのこです。これより、2024の夏のしろくま図書委員会をはじめます。」

本編一曲目は、図書委員による盆踊り手拍子に乗せて、この夏のテーマをお送りします。

しろくまアワー

今日ものびのび しろくまるん♪
図書室へまっしぐ らったったー
今日もうきうき しろくまるん♪
新刊入荷だ うっふっふー

しろくまアワーが始まるよ
なにそれ、それっておいしいの?
はいはい、おいしい本ですね?
きっとご用意いたします

今日はいよいよ お話会♪
好きな本持ち寄り らったったー
扉をいそいそ ひらきます
委員会活動 うっふっふー

しろくまアワーを始めましょう
なにそれ、それって意味あるの?
はいはい、意味ない本なんて
きっと存在いたしません

ねえねえそこの 図書委員さん
お話聞いたら眠くなる
ねえねえそこの図書委員さん
僕もうそろそろ限界です

しろくまアワーっていうけれど
なにそれ、それって楽しいの?
楽しくないわけなくなくない?
どんな本が好きですか?

はいはい、眠くない本ですね
きっとご用意いたします
楽しくないわけなくなくない?
しろくまアワーを続けましょう

「しろくま図書委員会は、地味で目立たない図書委員のあのこと、そのこに夢中だけどなかなか話しかけられない男の子のお話です。 みなさんも身に覚えはありませんか?出来るだけさりげなく話をするきっかけを作るために、ほら、目の前でつまづいて見せたり、消しゴムを落としてみたり。」

ころがる消しゴムのように

まさか教室の後ろの席に座っていたのが
あのこだったと知ってからはなんだか落ち着かない

転がる消しゴムのように
あのこの近くへは行けない
ボールのように角をとって
丸くしたらどうかなってこする

あの日落とした消しゴムがなんと珍しいことに
真後ろに転がったせいであのこが拾ってくれた

転がる消しゴムのように
あのこの近くへは行けない
もいちど狙って落としても
だいたい隣に転がってしまう

こするこする手の中でこっそり
まるくまるくボールならおてのもの
偶然と必然は紙一重こんな近くにいたのね
ありがとうっていいたいなうまくやればもういちど

転がる消しゴムのように
あのこの近くへ行けない
ボールのように角をとって
丸くしたらどうかなってこする

「そして、思い通りに消しゴムが転がらないように、やっぱり時間ばかりがすぎて夏休みが来るのでした。」

きみも夏になる

少し 離れようとしたのは
寝不足のせいかな
ほかの誰かと楽しそうに
話すきみを見たからかも

グラウンドに出て 空にボール投げよう
やることは沢山ある ぼくにだってそれなりに

だけど もうすぐ夏がやってくるよ
その前に きみと話したい

きみに 聞いてみたいんだ
どうして外へ出ないの?
もしかして図書室の本を
全部読もうとしているの?

グラウンドに出て きつく目を閉じて
風の彼方で 振り向いてみたら

春は隠れて見えなかった耳たぶと
夏に変わる瞬間が 見えたんだ

いまか いまかと夏がやってくるよ
その前に きみと話したい

夏休みに入ってしまうと、そもそも接点の薄い二人が、絡むどころかニアミスすることもありません。なので、この夏は、それぞれの夏休みのお話になる旨を、図書委員が冷静にアナウンスします。

「夏休みには昼休みも放課後もありません。そもそも薄い二人の接点は、夏休みの間は、ありません。お話はそれぞれの、ひと夏のものがたりとして進みます。あしからずご容赦ください。」

まずは、本好きの図書委員のあのこの夏休み。地味で真面目で優等生の誉高い女の子が、どのように過ごしているかと言いますと、想像に反してなんと、おやつ食っちゃ寝、アイス食っちゃ寝、本を読んじゃ寝る三昧のぐうたらの夏休みです。

ふわふわしてる

長い長い 物語を ベッドの上で 読んでいたの
いつの間にか 雲に乗って空の上から あなたを探してた

どこにいるの 姿が見えない
歩きつかれて 隠れているの?
どこかけがして いないかしら
早く助けにいかなきゃいけない

ここはどこ? 私はだれ?
答えはきっと ベッドの下
ここはどこ? 私はだれ?
滑り落ちた本のなか

暗い空に はりついた あかい月が あやしく光り
いつの間にか雲をおりて耳をすましたわたしを呼ぶ声に

思うとおりに進んでいける
見知らぬはずの 見覚えある道
ふわふわしてる 世界のすべて
手をのばしたら 触れられそうなの

ここはどこ?あなたはだれ?
答えはきっと次のページ
ここはどこ?あなたはだれ?
明日読む続きのなか

一方の宮野くんの夏休みは、当然部活、野球三昧ですとか言いつつ、どこかで白耳のあのこに会える場所を夢想しています。

ぼくの宿題

よく読んで 感想を書きましょう 課題図書の宿題は
いつだって 先生はそういうけれど 
書けるわけない きみに会えない 夏休みは

きみは笑うかな ぼくを笑うかな
  本を見るたび きみを思い出すと知ったら

よく読んで 答えを考えましょう 
文章問題を解くときは いつだって 先生はそういうけれど 
考えても わからないよ この気持ちは

きみに会えるかな ぼくは会えるかな
自転車とばして 図書館に行ったりしたら

いつもの夏なら学校のこととか
勉強なんて忘れているけど
ことしは大事な宿題があるんだ
休みの間どうしたら きみを見つけられるか

きみは気づくかな ぼくに気づくかな
あの駅前の 本屋ですれちがったりしたら

きみは笑うかな ぼくを笑うかな
本を見るたび きみを思い出すと知ったら

あの日偶然見かけた白い耳がなぜか、気になって仕方がないのです。

今回はここから、白い耳にまつわる、宮野くんの思い出の話になります。

東京生まれ、東京育ちの宮野くん、夏休みは、東京近郊のおばあちゃん家で何週間も過ごしていました。

中学生になってからは部活動で少し足は遠のきましたが、それまでは夏休みでなくとも遊びに行っては、掃除の時にするような白い頭巾のおばあちゃんと一日中いっしょの、おばあちゃんこでした。というわけで今回ここから図書委員はみみ頭巾、エプロン装着して、宮野くんの祖母の役になります。

この夏、一年で急に背が伸びたせいか、おなじみのおばあちゃんの寝室のタンスの上に、なにか見慣れない、まるくて白いものを見つけました。その時、脳裏にひとつの歌が、きこえてきました。それは、小さな頃によく聴いたこもりうたです。

しろくまさん おばあちゃんの子守唄

しろくまさんはしろいみみ
けいちゃんにもつけてあげましょう
しろくまさんはまるいみみ
ほらねとってもよく似合う

しろみみさんは北国のずっと先のしろい国
しろいゆきのお布団で今夜もゆっくり眠ります
すうすうねむります

しろくまさんは夢の中
けいちゃんいっしょにあそびましょ
しろくまさんはふかふかで
いつもみんなの人気者

大きな背中は滑り台かけっこだって上手なの
ねむくなったらおふとんでお話聞かせてくれるでしょう
すやすやねむります

宮野くんの耳に、なつかしいメロディが聞こえてきました。そして、ふと、宮野くんの頭の中のモヤが晴れた気がしたのです。おばあちゃんはいつも、寝る前に布団の中でいろいろな本を読んでくれました。楽しい本、ちょっと怖い本、冒険物語、動物の本もあったっけ。幼い宮野くんはたいてい、それを聴きながらすやすやと眠ってしまったものですが、その時、確かにおばあちゃんの頭には、白い頭巾があったのです。そして、なんとなく、白いみみのようなものがついていたんです。あれは・・なんだったのかな。何かの記憶違いなのでしょうか。いや、記憶から見えてくるのはどうしてもあの、みみのようなシルエットなのです。

一方で、図書委員のあのこの夏休みは、例によって本の中です。夏休みはさらに読書三昧でさぞご機嫌かと思いきや、楽しく読み進めていた物語が未完の大作だったことに気づいて、途方に暮れていたりします。

物語のつづき

もう二度とつむがれない日々なの
それでもその先を知りたくて

もう一度最初から読んでみる
あなたの行く道をたどって

ここで笑って ここで涙した
ここで出会って ここで分かれ道へ

物語の続きを知りたくて
何度も 想像するけれど
物語に答えはどこにもない
ただ立ち尽くすだけ

もう二度と描かれない世界に
とりのこされてしまったの

もう何度読み返しているだろう
あなたの姿をもとめて

ここで走って ここで倒れた
ここで傷つき ここで立ち上がって

物語は私をまきこんで
時間さえもこえてみせる
それでも最後の場面から
つづく未来はない

図書委員のあのこが本の中で迷子になって憔悴している頃、宮野くんは、おばあちゃんが掃除をする時のただの三角巾だと思っていたものに、思いがけず白いみみがついていた記憶に、動揺していました。なんで?おばあちゃんも白いみみ?さらに、意味のよくわからない白い耳の子守唄のことも思い出しました。あれはなんなのでしょう。しろみみさん?それからそれから、おばあちゃんがよく歌っていたうたを思い出しました。1は哲学2は歴史って。なんのことだろう、今思えば図書室の中の目印だったんだよね。あのこのいる図書室に忍び込んだときに見かけた数字、なんだか懐かしい感じがしたのでした。

本の住所~NDCコードのうた

Fu Fu Fu~
おかえり 今日はたくさん返ってきたね
おかえり それぞれの場所に戻しましょう
本には 住所があるんです
1は哲学 2は歴史 3は社会科学
覚えておくと探しやすいです Fu Fu Fu~

まいごに ならないように正しい住所に
かえして あげられたら嬉しいでしょう?
次の ブロックへ移動して
4は自然科学 5は技術 6は産業
ほらね、もっと知りたくなったでしょう?
7は芸術 8は言語 9は一番多い
文学作品です Fu Fu Fu~

きちんと 背表紙を手前にだして
そろえば 本もよろこぶ美しい本棚
残すは 最後のブロック
0は総記 1から9に あてはまらない
本は全部ここへ 戻したらおしまいですFu Fu Fu~

このうた、おばあちゃんが歌っていたじゃありませんか。宮野くんのおばあちゃんがしろくま図書委員会に深くかかわる人物だったことを、昭和末期の私たちが知る由もないのでした。

図書委員ははずかしそうに、いや、ちょっと今や誇らしげに耳を装着して(会場に向かって一緒に耳装着を促す紙をかかげ)、高らかに歌います。会場にはたくさんの耳が生えています。壮観です。

コードはシロクマ

ある日先輩から白い耳を渡された
この図書委員会のコードネームは “シ・ロ・ク・マ”

図書室の本を守るのがきみたちの使命です 
同意するなら耳をつけこれを読み上げてくださいと
「私達しろくま図書委員は本を愛し、
本に愛される活動を 行うことをここに宣言します」
あの日先輩から白い耳を渡されて
すぐに決心したコードネームは “シ・ロ・ク・マ”

今日から立派なしろくまになりますと誓った
少し照れたのは初めだけ意外と似合うと思ったの
「私達しろくま図書委員は本と共に歩み
本と共に生きる活動を行うことをここに宣言します」

「しろくま宣言」(画像は第一回のものを流用)

わたくし<br />
しろくま図書委員は<br /> 
本を愛し<br />
本に愛される活動を<br />
行うことを<br />
ここに宣言いたします<br />
令和6年1月27日<br />
しろくま図書委員会<br />

厳かに会場一体になってしろくま宣言を終えると、ようやくいつものフリートークの時間です。

「あらためましてこんばんはー。柏原はねみですー。せーの(かわいー♪)・みんなもかわいいー」

もう、かわハラ、そしてかわハラ返しについては説明を略します。

そして、今回のお話を振り返ります。

「なんと宮野くんのおばあちゃん、しろくま図書委員だったってことなのでしょうか?」

「宮野家 は実は血筋としては、読書好きの家の子だったわけです。だから、思いのほか漢字も書けるし、詩を書こうなんて発想するわけですよね。」

「『本はにがて』といううたが出来たとき、ここまで過去に遡る展開になるとは思っていませんでしたね。なんといってもおばあちゃんは、大正生まれですから[大正9(1920)年]。学校に図書室の設置が必須となったのは、昭和28年ごろですから、おばあちゃんが女学生の頃に、図書委員会があったかというと、それは怪しいです。けれど、先ほど、宮野くんが思い出してうたってみた、「本の住所」に出てくるNDCコードは、昭和4(1929)年に、森清(もりきよし)さんが発表して、徐々に広まり、戦後、日本の標準図書分類法として定着したそうです。本好きなおばあちゃんがどこかで、それを知ったとしても不思議ではありません。
 そして、孫のけいちゃんに、絵本を読み聞かせるだけでなく、歌もつくって聴かせちゃうような人ですから、NDCコードの歌だって、口ずさんでいてもおかしくない、というわけですよね?」

「辻褄があって来ましたね。こうなってくると、宮野くんと図書委員というのは、実は親戚みたいなもんだったということができるわけです。」

会場を置いてきぼりにしながら、宮野家の深い事情についてのお話が続きます。仔細についてはアルバムに譲るとして、おばあちゃんはとても深く関わっていたようです。

すっかりおなじみ合唱のコーナーは夏バージョンです。

読書日和 (夏)

雨の日は読書日和 外で遊べないこと忘れるくらい夢中になれる
空の日は読書日和 羽を広げ  どこまでも 自由に飛んでいける
海の日は読書日和 宿題の課題図書 手をつけるのにちょうどいい
山の日は読書日和 見晴らしのいいベンチで 本を読んだら気持ちいい

永遠に読書日和 好きなだけ読んだら またあした 最初に戻る

しろくまサマー♪

みなさーん、しろくまサマーへ ようこそ

今日も太陽はギラギラ
みんなの瞳はキラキラ

日に焼けたその足で
図書室へきませんか

しろくま特集やってます
北極の風ふいてます
本を開けばほらそこは
ひんやり氷の世界
しろくまサマーへいらっしゃい

今日もプールは盛況
水しぶきたっぷりあびたら

ぬれた髪かわかして
図書室へきませんか

ぺんぎん好きなあなたには
南極の風ふかせましょ
本を開けばどこだって
たちまち氷の世界
しろくまサマーへいらっしゃい

しろくまサマーの中で、しろくまーと叫ぶことができました。先月の名古屋場所で白熊関は、十両優勝、幕内昇進確実とニュースになっています。じきにテレビでもしろくまーっというこえが聞こえて来ますよ。という雑談を経て、お話に戻りました。

本が好きなきみを

世の中に本屋さんがあることは知ってたよ
沢山の棚があって全部は読めないはず

おそるおそる手にするもどれもこれも難しそう

ただどんな本を見てもきみを思い出す

いろいろな本があってこんなのも読むのかな
文字じゃない絵ばかりの写真だらけの本も

おそるおそる手にしても開かないようなものも

ただどんな本を見てもきみを思い出す

僕の知らない世界に
きみは住んでいるみたい
だけど近ごろどこにでも
本があることに気づいた

いまどんな本を見てもきみを思い出す

宮野くんは、本屋さんに行ってみたようですが、本好きの図書委員たちが行くのはどちらかと言えば、圧倒的に図書館です。と、さりげなくまた宮野くんの企てが徒労だったことが明らかになります。 話は変わりますが、昭和の図書館は月曜日はお休みでした。だから、月曜日はつまらない。

月曜日はつまらない

麦わら帽子に 水色リボンつけたのに
月曜日はつまらない 図書館がお休みだから

借りてきた本は みんな読んでしまったの
夏休みはつまらない 図書室もお休みだから

早起きして ラジオ体操 今日のスタンプ 押してもらったら
もうやること 見つからない 宿題だって調べられない・・あーあ
月曜日はつまらない 図書館がお休みだから

しろくまの柄の トートバッグ見つけたのに
月曜日はつまらない 図書館がお休みだから

妹の分もみんな読んでしまったの
夏休みはつまらない 図書室もお休みだから

平泳ぎの 練習したら 昔、持ってた 絵本うかんだ
あのカエルの 王子さまは 平泳ぎも上手なのかな・・あーあ
月曜日はつまらない 図書館がお休みだから

宮野くんの独白。夏休みは学校やってないんだから、図書室もやってないの当たり前じゃんとつぶやきながら、部活のために学校に来たついでに図書室を覗いたところ、なんと昨日は図書室開放の日で、「しろくまアワー」という名のお話し会という、また聞いたこともないイベントが開催されていたというのです。「あのこも、来ていたのかな、しろくまアワー。僕たちの夏休みは、すれちがいっばなしだな。」

すれちがいの図書室

ここのところ図書室は利用者の少なさが課題
図書室のドアを開けて誰でも入りやすくしています

あのこの姿が見えなくてドアが開いてるのに気づいたよ
恐る恐る近づいて首だけのばしてのぞいたら

「あれ、えーっと、宮野くん?」

あのこの口からぼくの名前が飛び出してきて耳を疑う
珍しい人が来てくれたでもドアの前から動かない

なぜ きみは どうしてなぜ きみは どうして
ぼくの名前を知ってるの?
図書室に入らないの?

すれちがいの図書室のドアは まだ開いたばかり・・・

同じクラスの男子だけど話すのはたぶん初めてで
図書室もたぶん初めてよねそんなに入りづらいのかしら

不意うちであたまは真っ白身体に電気が走ったよ
目があって声かけられてああどうすればいいのだろう
あのこは少し首をかしげて黒い瞳でぼくを見つめる

いつまでそこに立ってるつもり?
ドアを塞がないでほしいのに

なぜ きみは どうしてなぜ きみは どうして

ぼくの名前を知ってるの?
図書室に入らないの?

すれちがいの図書室のドアは まだ開いたばかり・・・
私は誰より図書委員

幸せをつかむなら後ずさりしてちゃだめね
本からそう教わった私は無敵な図書委員

読めば読むほど重なる経験どんな敵だって怖くない
縦横無尽に駆け抜けたパラレルワールドはここかしこ

本の世界は無限の世界
迷い込んだら戻れない?いいえ心配はいらないわ
チャイムがなればここはいつもの図書室だから

悲しみをいやすなら背中を向けてちゃだめね
本からそう教わった私は夢見る図書委員

読めば読むほど重なる人生高くなってく経験値
以心伝心で共鳴したあの人たちはいまいずこ

さあ あなたも本を手にとって
素敵な体験重ねましょ初めてだって大丈夫
本の借り方探し方教えてあげるから

貸出カードは5枚目校内一位じゃないけれど
何でも聞いてください私は誰より図書委員

何でも応えてあげる私はあなたの図書委員
初めてだって大丈夫
でも貸出カードだけは忘れないでね

景気良く私は誰より図書委員で終えた夏のライブでした。 ライブも8回を数え、いよいよアルバムを作るために、読書の秋の、文化の日の昼に、ワンマンライブを開催する宣言をして最後の曲、となりました。宮野家の謎のつづきについては、来年の夏にまた、やりましょう。

あなたに会いに−昼休みの図書室、二年後

昼休みの図書室は誰もいないから
ほんの束の間あなたに会いに行く
到底いくこともかなわないような
深い森にあなたはすんでる

私は遠くからそっとのぞく
音を立てず静かに表紙をひらいて
心臓の音がきこえるくらいいま近くにいるから
もうだれも邪魔しないで

昼休みの図書室は昨日の続き
とまっていた時計が動き出す
到底みることもかなわないような
ちがう時代にあなたはいきてる

私は遠くからそっとよりそう
透明なまま激しく想いをよせて
熱い呼吸をかんじるくらいいま近くにいるから
この瞬間こわさないで

どんなにあなたに会いたかったか駆け出したら止まらないから
読み進めるほど速くなってゆくその背中追いかけてく

心臓の音がきこえるくらいいま近くにいるから
もうだれも邪魔しないで
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