しろくま図書委員会

次回予告

2024年11月3日日曜日 12時開場(12時30分開演) 池袋フィールド 
アルバム発売ライブ「Bar愛読書綺譚」前売り申込受付を開始します

しろくま図書委員会について

絶滅危惧のホッキョクグマと、滅びはしないものの生活への電子媒体の侵食により忘れられがちな読書文化をなぞらえたネーミングとなっています。

登場人物(メンバー)

しろくま図書委員会
「図書委員」こと柏原はねみ 本に夢中
「ぼく」こと宮野馨(みやのけい) 図書委員に夢中

概要

 本さえあれば幸福な図書委員は、毎日図書室で至福の生活。それを偶然見かけて、日々図書室の前をうろうろする同級生のぼくは、読書習慣のない野球少年。
 決して交わることのない二人の中学生の内面を執拗に深掘りすることで、あまり語られない読書や本好きな人の習性をご紹介したり、また、読書自体への興味関心をうながす物語を、二人組のフォークグループの歌という形を使って綴ります。

楽曲制作について

 しろくま図書委員会の作品は、日本音楽著作権協会の管理外のため、コピー、カバーフリーとなっております。

 別掲外部サイトに予め楽曲情報が載っております。誰にでも歌える、誰も儲けない、親しみやすいうたづくりに努めるのが、しろくま図書委員会の偽らざる信念です。ご自由に歌ってみてください。

「図書委員とぼく」これまでのあらすじ

時は昭和後期、ごく普通の公立中学校でのお話です。四六時中、野球のことばかり考えていられたら幸せな中学生、宮野馨(みやの-けい)くんが、いつものように昼休みにこっそり屋上で練習していたある日、雨が降って来ました。

雨を避けて階段をおり、踊り場を過ぎたところからたまたま見えた扉の向こう、一心不乱に本を読んでいる女の子を見かけます。小窓から後ろ姿しか見えないため、生徒らしいということしかわかりません。

宮野くんは、その子のことが気になりはじめました。気がつけば毎日、昼休みになるとその踊り場へ行くようになります。あの日、彼女の影が動いて見えたのは駆け降りて来た自分の気のせいで、いつもの彼女はほぼ身じろぎひとつしません。

そこは図書室。誰とも知れぬあの女の子は、いわゆる図書委員なのだろうと決め、彼は彼女を心の中で、「図書委員のあのこ」と呼ぶようになりました。

それから、宮野馨くんの思いつく限りの「図書委員のあのこ」へのもどかしいアプローチが始まります。図書室に忍び込んだり(2023年4月ライブ参照)、入ったこともなかった本屋を訪ねるようになったり(2023年10月ライブ参照)、図書館を見つけてさきまわりしてみたり(2023年10月ライブ参照)、実はクラスメイトだったと知ってからは消しゴムを転がしてみたり(2023年8月ライブ参照)、詩を書いて図書室の本に挟み込んだり(2024年1月ライブ参照)といった調子です。

実は「図書委員のあのこ」は、本があれば満足だし、本や委員会活動以外にはあまり関心がありません。野球に夢中で、目だたないクラスメイトの「図書委員のあのこ」の存在に気がついていなかった間抜けな宮野くんとある意味すこし、似ているかも知れません。

それまでの宮野くんが、本というものに対して苦手意識がとても強かった(2023年4月ライブ参照)ことも相俟って、シャイというよりも牛歩のようなまどろっこしさで彼女に迫ります。しかし「図書委員のあのこ」は、同じクラスで野球部の宮野くんの存在を認識してはいましたが、一向にそんな彼のアプローチには気付きません。

彼女の日常はといえば、昼休みも放課後も図書室にずっと篭っているばかりであり(2023年4月ライブ参照)、熱心な図書委員会の活動(2023年10月ライブ参照)の中にはその内面の激しさを表す(2024年4月ライブ参照)こともあるものの、本の中身、物語に影響を大きく受け(2024年4月ライブ参照)ているばかりで、身の回りをうろちょろしている男子生徒などには気がつきもしません。ときどき、気になる男子生徒が現れたり(2024年4月ライブ参照)もしますが、それもこの「まじわらない物語の予定調和」の域を出ません。いわゆる本の虫の生活は、本との間で完結しています。

このように、本が好きな「図書委員のあのこ」と、その子が気になるけれども本そのものが好きでなかった宮野くんとの距離は、なかなか詰まることはありません。

しかし少しずつ、宮野くんはとてもにがてだった本というものに近づいて(2024年1月ライブ参照)いきます。いつか、「図書委員のあのこ」の名前が呼べる(2023年4月ライブ参照)くらいの仲になるのでしょうか。宮野くん、次回は、いや次回こそは、本が好きと言えるようになるでしょうか。

※2024年8月8日現在

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